研究概要 |
虚アーベル体の相対類数はMaillet行列式、Dem'janenko行列式、Inkeriの行列式を用いて表せる。これらの公式は最初、Carlitz-Olson、Hazama、Inkeriによって、奇素数分体について与えられ、さらに、Girstmair、Tsumura、研究代表者によって、虚アーベル体まで一般化され、統一されてきた。 一昨年から、研究代表者は、虚アーベル体の相対類数を拡張された形のDedekind和を成分とする行列式で表してきた。この公式を、津村博文氏が別の方法で証明した。平成14年度で、これらの結果を共著の形で纏め、現在投稿中である。 虚アーベル体の相対類数を表す行列式は、その体の導手を法とする既約剰余類の元で表せるが、導手の倍数を法としても表せる。一般にこれらの行列は同値に近い形をしている。最近、ある簡単な条件の下で、これら2つの行列が等しくなることが分かってきた。 4月、10月に金沢大学、北陸数論セミナーにおいて、それぞれの上記の結果を発表した。 5月にカナダ、モントリオール大学、Canadian Number Theory Association, VII Meetingにおいて、一昨年に得られた結果を発表した。 12月に東京都立大学、整数論セミナーで、これまで研究代表者が得た公式を体系づけた形で発表した。 虚アーベル体の相対類数をInkeriの行列式、Dedekind和で表す論文がそれぞれ出版された。
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