研究概要 |
1.研究代表者は平成15年6月27日より7月18日まで22日間、California大学Los Angeles校、肥田晴三教授を立命館大学に招へいし、肥田氏が本年度内に出版予定の著書"p-adic automorphic forms on Shimura varieties (Springer出版社)"の内容について20時間にわたる講義が行われた。この講義に関連し、研究分担者石井秀則氏をまじえて、代表者は次の問題を提起した。moodular curvesのJacobi多様体の単純abel多様体因子は主に、総実代数体をその自己準同型環とするのであるから、古典的modular equationsはこの場合、イデアル分点方程式に拡張されねばならない。もしこの構成が可能であれば、次に、問題としているmodular群のcusp forms(特にweight 2)のHecke作用素の固有空間分解に現れる合同因子の幾何学的考察を合同因子分点方程式に適用するということが考えられる。この問題提起は将来の研究課題として充分に留意されるべきものであることを確信するに至った。 2.研究分担者の岡田薫氏は、Hecke eigenvalues for real quadratic fields, Experimental Mathematics II(2002),407-426を発表したが、この論文の中で予想されているHilbert modulas formsのHecke作用素の固有値のconductorsに関連する代数体のL-valuesの分子の因子との関係をほとんど証明し、平成16年度中に論文を発表予定である。
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