研究分担者 |
岡 睦雄 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (40011697)
石川 剛郎 北海道大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50176161)
泉屋 周一 北海道大学, 大学院・理学研究科, 教授 (80127422)
寺杣 友秀 東京大学, 数理科学研究科, 助教授 (50192654)
徳永 浩雄 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30211395)
|
研究概要 |
ザリスキーファンカンペンの定理は代数多様体の基本群を計算する中心的な手法のひとつである。しかし,いままではこの定理は限られた状況においてしか使うことができなかった.われわれはこの定理を証明の基礎にまでさかのぼって一般化し、適用範囲を拡大して様々な応用を得た. 特異ファイパーが弱い特異点しかもたない代数的ファイバー空間に対し,底空間の2次のホモトピー群からファイバーの基本群への境界準同型が定義されることを示し,ホモトピー完全系列が低次の部分において成立していることを証明した.この結果を用いて,射影曲線の双対超曲面の補集合の基本群がリーマン面の組み紐群のある部分群と同型であることを示した. 大域的な切断をもたない代数的ファイバー空間に対しても,底空間がアファイン空間で,局所的な切断が底空間の各点の近傍において存在し,かつファイバーの基本群への局所的なモノドロミーがすべて自明なら,ザリスキーファンカンペンの定理が成立すること,つまりファイバーの基本群が全空間の基本群の部分群となることを証明した. 6次曲線は代数多様体の基本群の研究にとって格好の実験場である.6次曲線の研究にK3曲面の理論を用いるということは,きわめて自然な発想であるが,そのためには格子理論に関する高速のプログラムを必要とする. 我々は,定符号の格子が与えられた時,この格子のなかで与えられたノルムをもつベクトルの個数を求めるアルゴリズムをC言語で書いた.このプログラムを使い,のべ500時間近くにおよぶ計算時間を費やして,超特異K3曲面上に現れる可能性のある総ミルナー数21の有理2重点の粗み合わせをすべて求めた.また,正標数の6次曲線で,有理2重点しかもたず,かつ総ミルナー数が20となるものをいくつか発見した.
|