位相力学系におけるカオス写像と複雑な不変集合の連続体論的研究

2002 年度 実績報告書

• 研究課題/領域番号: 14540060
• 研究機関: 筑波大学
• 研究代表者: 加藤 久男 筑波大学, 数学系, 教授 (70152733)
• 研究分担者: 川村 一宏 筑波大学, 数学系, 助教授 (40204771) ; 酒井 克郎 筑波大学, 数学系, 助教授 (50036084) ; 保科 隆雄 筑波大学, 数学系, 教授 (00015893) ; 山崎 薫里 筑波大学, 数学系, 助手 (80301076) ; 金戸 武司 筑波大学, 数学系, 講師 (70107340)
• キーワード: カオス / 拡大力学系 / 極小集合 / パインね変換 / カントール集合 / シフト写像 / 共役 / スクランブル集合

研究概要

カオス力学系理論で重要な拡大同相写像や、パイこね変換の数学的概念である連続体的拡大同相写像の不変集合、特に極小集合について研究を行った。拡大同相写像の極小集合が零次元であることは、1979年にManeによって証明され、ついで研究代表者によってこの結果は連続体的拡大同相写像にまで拡張された。本研究ではこの研究を更に推し進め、無限集合となる極小集合の存在について研究した。有限集合となる極小集合は周期点であるが、無限集合の場合はカントール集合になり、すべての点が稠密な軌道をとることになる。この論文で、1-次元空間上の(連続体論的)拡大同相写像は、カントール集合である極小集合を無限個許容することを示した。特に、continuum-wise fully expansive homeomorphismについては、次元の制限がなく同様の極小集合が存在する。これによって、条件付ではあるが(連続体的)拡大同相写像の周期性に関するカオス性の証明に成功した。

研究成果

• [文献書誌] 加藤久男: "Infinite minimal sets of continuum-wise expansive homeomorphisms of 1-dimensional compacta"Topology and its Applications. (to appear).
• [文献書誌] 保科隆雄, 山崎薫里: "Weak C-embedding and P-embedding, and product spaces"Topology and its Applications. 125. 233-247 (2002)
• [文献書誌] 酒井克郎: "Hyperspaces of normal linear spaces with Attouch-Wets topology"Set-Valued Analysis. 11. 21-36 (2003)
• [文献書誌] 酒井克郎: "Strong n-shape theory"Topology and its Applications. 122. 253-267 (2002)
• [文献書誌] 川村一宏: "Actions of finitely generated groups on the universal Menger curve"Proc. AMS.. 130. 609-611 (2002)
• [文献書誌] 川村一宏: "A note on singular homelogy groups of infinite products of compacta"Fund. Math.. 175. 285-289 (2002)