研究課題/領域番号 |
14540070
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研究機関 | 新潟大学 |
研究代表者 |
関川 浩永 新潟大学, 理学部, 教授 (60018661)
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研究分担者 |
松下 泰雄 滋賀県立大学, 工学部, 教授 (90144336)
長谷川 敬三 新潟大学, 教育人間科学部, 助教授 (00208480)
印南 信宏 新潟大学, 理学部, 教授 (20160145)
橋本 英哉 名城大学, 理工学部, 教授 (60218419)
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キーワード | 概複素多様体 / 概超複素多様体 / 概ケーラー多様体 / Goldherg予想 / Nearlyケーラー6次元球面 / J-正則曲線 / Walker計量 / 可解多様体 |
研究概要 |
滑らかな多様体MはJ^2=-I(Iは恒等変換)を満たす(1,1)型テンソルJを許容するとき、概複素多様体と呼ばれる。概複素多様体の概念は複素多様体のそれの自然な一般化で、これまで、6次元球面等多くの複素多様体ではない概複素多様体の例が知られている。概複素多様体M=(M,J)はその概複素構造JがM上のある複素構造に付随したものに一致するとき、積分可能であるといわれる。本年度においては、平成14年度における研究成果をもとにして研究を行った。具体的には、概複素多様体の幾何における次の3つの話題を中心に考察した。 (1)4次元概ケーラー多様体の積分可能性に関する「Goldberg予想」について。 (2)Nearlyケーラー6次元球面S^6内のJ-正則曲線について。 (3)上記(1),(2)に関連した話題について。 (1)に関しては、4次元の場合において、曲率に関するある付加条件の下でいくつかの肯定的結果を得ている。尚、不定値計量の場合においては、4次元Walker計量の中に反例を見出すことが出来た。 (2)に関しては、S^6内の(III)型のJ-正則平坦トーラスについて、可積分系の視点からその構成及び分類を行っている。(II)型のものについてもその構成方法に関する研究が進んでいる。 (3)に関しては、リッチ固有値が異なる2つの定数であるようなケーラー曲面の局所構造について調べさらに等質なものの分類を完成している。そのリッチ固有値が異なる2つの負の定数であるようなコンパクト既約ケーラー曲面が存在すれば、それから「Goldberg予想」そのものに対する反例を構成できることが知られている。また、「ケーラー構造を許容する4次元コンパクト可解多様体は有限アーベル群を構造群とする複素トーラス上の複素トーラス束となるという結果を得ている。(1)に関連して、4次元概超エルミートの曲率と積分可能性との関係についていくつかの結果を得ている。
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