研究概要 |
素数ベキ位数でない有限群をGとする。素数pに対し、有限群Gの指数pベキの正規部分群のうち位数最小な群をDress p-部分群という。G-表現Vが、各Dress p-部分群による固定点集合は原点のみであり、かつ、すべての部分群の組(P,H)(P<H)に対して、Pによる固定点集合の次元がHによる固定点集合の次元の2倍より真に大きいとき、表現Vをギャップ表現とよび、有限群Gをギャップ群という。 すべての素数pに対して、Dress p-部分群の位数は素数ベキでないと仮定する。ギャップ群はこの条件を常に満たす。 昨年度、Dress p-部分群がGの真部分群である奇素数pがただ1つ存在するときに、ある元達の中心化群の情報が、Gがギャップ群であるかどうかを定めることが得られた。そのことから、Dress p-部分群がGの真部分群である奇素数pが1つ以上存在する非可解群はすべてギャップ群であることがわかる。 一方、5次の対称群をみればわかるように、一般には上のことは成立しない。ソフトウェアGAPを用いて、完全群の自己同型群から5つほど反例を見つけた。 さらに、昨年度得られたギャップ群になるための必要十分条件が、一般の群ではどうかを考察し、一般にも成立することを示した。つまり、ギャップ群であるかどうかは、ある元達の中心化群で決まる。このことにより、Dress 2-部分群が指数2であるような非可解群でも、無限にギャップ群でないものが存在することがわかる。ギャップ群に対してLaitinen予想は正しい。上の考察の延長上で、Drcss 2-部分群を指数2の部分群に持つ有限群に対し、Laitinen予想が正しければ、一般の有限に対してもLaitinen予想は正しいことが得られた。
|