研究概要 |
素数ベキ位数でない有限群をGとする。素数pに対し、有限群Gの指数pベキの正規部分群のうち位数最小な群O^p(G)をDress p型部分群といい、O^2(G)で表す。G-モジュールVが、各Dress p-部分群による固定点集合は原点のみであり、かつ、位数が素数ベキである部分群Pと部分群H(P<H)の組(P,H)に対して、Pによる固定点集合の次元がHによる固定点集合の次元の2倍より真に大きいとき、有限群Gをギャップ群という。すべての素数pに対して、Dress p型部分群の位数は素数べきでないと仮定する。ギャップ群はこの条件を常に満たす。 まず、有限群Gがギャップ群であるのは、Dress2-部分群を含むGの部分群Lで、商群L/O^2(G)が巡回群であるような群Lがすべてギャップ群であることと同値であることを示した。そこで、以降G/O^2(G)は巡回群であると仮定する。次の正規化群の列 G=G_0〓G_1〓G_2〓・・・〓G_K = O^2(G),[G_j,G_<j-1>]=2 を考えると、Gがギャップ群であるための必要十分条件は、各G_j(0<j<k)がギャップ群であることである。G_j\G_<j-1>の2べき位数の元たちのクラスC_jを定義し、G_j \ G_<j-1>に関係する組(P, H)に対して、上記の次元の差が正となるかは、そのクラスが空であるかどうかで判定できることを示した。このクラスは、中心化群の形で与えられ、判定が容易であるものである。 さらに、直積やwreath積について考察し、例えば、Gのn個(n【greater than or equal】2)の直積がギャップ群であれば、G×Gもギャップ群になることなどの結果を得た。
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