研究概要 |
今年度の実績として,次のような結果を得た. (1)実または複素座標空間の多項式自己同型群の部分群の1次元ホモロジー群を計算した.特に2次元座標空間の多項式自己同型群の1次元ホモロジー群を決定した.この結果は横断的代数的葉層の位相と密接に関係している. (2)R^nの原点を保つコンパクトな台を持つリプシッツ同相群H_<LIP>(R^n,0)の1次元ホモロジー群について考察し,コンパクト開リプシッツ位相の下で,その連結成分は完全である事を示した.さらに有限群作用の同変リプシッツ同相群の完全性を示し,その応用として,軌道体やコンパクト・ハウスドルフ葉層を保つリプシッツ同相群の連結成分は完全である事を示した.この群のコンパクト開位相の下での連結成分L(R^n,0)_0はH_<LIP>(R_n,0)_0と異なる様相を示す事も分かってきた. (3)リプシッツ多様体M, Nのリプシッツ写像空間H_<LIP>(M,N)について考察し,コンパクト開リプシッツ位相の下でMがコンパクトのとき,リプシッツはめ込み,沈め込みおよび埋め込み全体はH_<LIP>(M, N)の中で開集合である事を示した.又,非コンパクト・リプシッツ多様体の必ずしもコンパクトな台を持つとは限らないリプシッツ同相群のリプシッツ強位相の下での連結成分は完全である事を示した.さらにRのリプシッツ同相群について考察し,有界リプシッツ同相群の全体はリプシッツ同相群の連結成分になり,完全である事を示した.
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