研究概要 |
空間Xから空間Yへの連続写像全体からなる空間(写像空間)をF(X,Y)と表す.近年B.FresseによりF(X,Y)の代数的(オペラド上の代数)モデルが与えられた.このモデルを構成するためには,定義空間Xのホモトピー群が有限であるという条件が必要である.この条件を外すことを目標に研究は始まった.その改良に力を注いでいるが,幾つかの証明に対する詳細な確かめと,具体的計算可能性の考察のためにまだ論文としてはまとまっていない.しかしながらこの改良の考察途中Fresseのモデルは,有理ホモトピー論で現れる写像空間のSullivanモデルに近いことが判明した.それ以降Fresseによるモデルの応用を見越して,まずこのSullivanモデルを用いた写像空間の研究を進めていた.結果,定義空間Xが接着空間である場合,写像空間の有理ホモトピー論的モデルはYのSullivanモデルとXのQuillenモデルで表すことができ,ここに写像空間のSullivan-Quillen混合型モデルが完成した.ある場合にはこのモデルが具体的計算に乗ることもわかり,特に基点を保つ連続写像のなすF(X,Y)の部分空間F_*(X,Y)に対して,次の定理を得ている. 定理 球面のウェッジにセルが接着した単連結CW複体Xとn-連結空間Y,Y'を考える.n>dimXであり接着写像が球面のウェッジのホモトピー群上で分解元であると仮定する.このときYとY'のホモトピーLie環が次数つきLie環として同型ならばF_*(X,Y)とF_*(X,Y')の有理ホモトピー型は同じである. この定理及び関連する幾つかの結果は次のプレプリントにまとめられている. K.Kuribayashi, Rational model for the evaluation map and iterated cyclic homology, September, 2003 K.Kuribayashi and T.Yamaguchi, Applications of a Quillen-Sullivan mixed type model for a based mapping space, October, 2003 http://omega.geom.xi.xmath.ous.ac.jp/kuri/papers.html
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