研究概要 |
異なった幾何構造の双対性をツイスター理論の本質ととらえて、そのしくみはダブル・ファイバリングからとらえられる。その立場に沿って、 (1)5次元接触空間R^5のLegendre直線束上のある種の連立1階常微分方程式系に対して、正規Cartan接続を構成して、2つの曲率不変量A,Bが存在する。B=0ならば、解曲線は5次元射影接触構造から定まるLegendre測地線の測地流の軌道である。A=0ならば、解曲線全体の空間に右半平坦な双曲型のタイプ(4,7)分布の構造がはいる。A=B=0ならば、平坦モデルと同型になる。一般次元も含めて、以上を示した。 (2)Hessian=定数やGauss曲率=定数(0でない)をintrinsicに拡張して、接触多様体上にLagrangian対をもつMonge-Ampere系を定義し、いろいろな性質を調べた。特に、モデル空間ではLegendre双対性を通して、解の大域性、特異性を調べた。5次元のときは、Legendreファイブレーションはgenericに、はめ込みにははめ込み、カスプにはカスプ、ツバメの尾にはカスプ、カスプにはツバメの尾の4通りである。 (3)Goursat方程式は、単独2階偏微分方程式で、放物型でMonge系が可積分なものをいう。ツイスター理論的に解釈して、方程式自身の構成、解の構成を行なった。接触構造における3次コーン構造の存在をもとに、前者はLagrange-Grassmann双対、終結式、後者はCartan-Legendre双対、Monge直線による線織面がキーワードとなった。
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