研究課題
相互作用型の測度値過程の中には、相互作用を伴うカタリチックな分枝機構をもつ重要なサブクラスがある。それは2種類の互いの分枝率は他の型の局所密度に比例する形で相互作用が規定されている特異な分枝率をもつクラスである。このようなモデルはある種の確率偏微分方程式系で記述される。そこで2次元ユークリッド空間上の同タイプ確率方程式によって記述される相互作用型測度値過程を対象として、より一般の作用素をもつ系の存在性について調べ、与えられた系にフィットする新しい近似スキームを提案し、そのような分枝測度値過程に対する存在定理を証明した。次により複雑な相互作用する粒子系の局所非有限分枝質量をもつ超ブラウン運動への収束問題を考察した。測度値確率過程の中での典型例である超ブラウン運動(ドーソン・渡辺超過程)の場合は、分枝ブラウン運動のRenormalization極限のマルコフ過程として得られる。最近ある適当なスケール変換の下で、別種の粒子系の極限としても超ブラウン運動が得られ注目を集めている。そこで局所非有限分枝質量をもつ超ブラウン運動を対象として、これをマルチンゲール問題により再定式化し、正則化近似法を用いることにより、より複雑な相互作用する粒子系の極限として得られることを示した。最後にノイマン境界条件をもつ、白色雑音とポアソン測度により駆動された放物型確率偏微分方程式を考察した。初めにその弱解の存在一意性を証明した。次に与えられたランダムなノイズ項に付随する2種の微分作用素を導入し、解の絶対連続性の判定条件を確率変分解析的な立場から議論した。最後にある適当な非退化性条件の下で、弱解の分布法則のルベーグ測度に対する密度の存在をマリアバン解析を用いることにより証明した。
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J.Saitama Univ.Fac.Educ.(Math.Nat.Sci.) Vol.54, No.1
ページ: 1-17
J.Saitama Univ.Fac.Educ.(Math.Nat.Sci.) Vol.53, No.1
ページ: 5-20
J.Saitama Univ.Fac.Educ.(Math.Nat.Sci.) Vol.53, No.2
ページ: 1-16