研究課題
本研究の第1の目標は、空間従属運動を伴う超過程(SDSM)より複雑な構造をもつ、移入の概念を考慮に入れた移入超過程を考察の対象として、そのスケール変換過程の収束問題を論じることであった。これに関して以下の結果を得た。1)SDSMに付随するドーソン=リー移入超過程のあるクラスを考察し、そのスケール変換された過程がやはり同じ種類の移入超過程になることを示した。2)ある適当なスケール変換の下で、スケール変換された移入超過程はコアレシングな空間運動を伴うドーソン=リー=チョウ超過程に測度値連続パス空間上の確率分布の意味で収束することを証明した。またこの種のような相互作用を伴う超過程の場合、特殊な確率方程式が付随することが多いので、対応する確率方程式を扱うための準備として、次の境界条件を伴う、時空ホワイトノイズと補正されたポアソン測度に依り駆動された放物型確率偏微分方程式を考察した。まず初めにその弱解の存在と一意性を証明した。次にランダムなノイズ項に付随した2種類の微分作用素を定義することによって、確率変分解析の立場からその解過程の絶対連続性のための判定条件について議論を展開した。その結果、ある適当な非退化条件の下で、マリアヴァン解析の手法を用いることにより、弱解の法則がルベーグ測度に関して密度をもつことを導いた。さらにこれに関連して、色つきノイズを伴うある確率偏微分方程式系について研究した。その系は相互作用的な分岐率に従っている分枝粒子系の時間発展を記述することができる確率モデルである。そのような確率方程式の厳密な定式化は共生的分枝超過程に関するマルチンゲール問題によって与えられる。近似手法によりそのマルチンゲール問題の解を構成し、さらにその一意性を確率双対の議論により得た。
すべて 2006 2005
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J.Saitama Univ.Fac.Educ.(Math.& Nat.Sci.) Vol.55, No.1
ページ: 1-15
J.Saitama Univ.Fac.Educ.(Math.& Net.Sci.) Vol.54, No.1
ページ: 1-17
J.Saitama Univ.Fac.Educ.(Math.& Nat.Sci.) Vol.54, No.2
ページ: 1-13