研究概要 |
最終年度の実績では,従来の研究を総括し,いくつかの成果を国内の研究集会および国際研究集会,国際会議にて発表をおこなった。また査読を受けていたいくつかの論文が掲載の受諾を得ることができた。その内容の概要は以下の通りである。 (a)研究の総括: 計画数理学のモデルとして考察した不確実性のモデルは,マルコフ決定過程と最適停止問題および数理ファイナンスへの応用である。これらは互いに関連しているが,それぞれの独自性を確立しつつ,相互の補完も考慮する必要がある。本研究課題で到達できた部分は不確実モデルの基礎理論の確立,特に非加法性測度論の定理である。また応用としてはファジィ理論の導入により,より現実的なモデルの最適停止問題や,従来のクリスプ的な推移確率を区間値と拡張したモデルの構成にいくつかの新しい結果を得た。 (b)学会発表: 国内では日本数学会,日本オペレーションズ・リサーチ学会,京都数理解析研究所での研究集会で発表をした。また国外ではICOTA2004等の国際会議に出張して,成果の発表をおこなった。 (c)内容: マルコフ決定過程での推移確率を区間値と拡張。最適停止問題のファジィ理論によるモデル化とその理論展開。ファジィ測度(非加法性)の新しい収束の概念と相互の関係。 (d)発表論文: 別記 (e)これからの課題: 基礎理論の確立からはじめ,応用としていくつかの最適化モデルの定式化を得ることができたが,数値解析の具体的解析,パラメータ導入にもとづく感度分析等が求められる。さらには将来,統計的データからの実践的研究に挑戦したいと考えている。
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