研究課題/領域番号 |
14540103
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
腰越 秀之 千葉大学, 工学部, 助教授 (70110294)
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研究分担者 |
水藤 寛 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (10302530)
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キーワード | 仮想領域 / 差分法 / 超関数 / transmission / 脳脊髄液流動 / 数値シミュレーション / 沿岸生態系 / 数値計算法 |
研究概要 |
初年度の研究課題に対する研究成果は次の通りである。 1.仮想領域と超関数を用いた直接法の数値計算手法の研究・開発とその応用。 本研究は、差分法による数値計算を、「超関数の意味での偏微分方程式の近似解として、局所可積分な数値解を求める」という立場から行われた。まず、ポアソン方程式の第3種境界値問題を仮想領域法と我々が開発した数値計算法(successive elimination of lines)の立場から取り扱った。仮想領域法は、対象とする有界領域Bをそれより大きな矩形領域Aに埋め込み、有界領域Bの境界に整合境界条件Cを課す。このとき、数学解析では、必然的にBの境界上にノイマンデータのギャップが生じる。それを超関数として表示し、差分法の数値計算スキーム上で定式化する。次に、この定式化の有効性が次の2つの場合にも検証された。ひとつは、2つの異なる電場ポテンシャル間を接合境界条件で結ばれている電磁場の順問題の場合であり、もうひとつは、多媒質から構成されている媒質の状態を境界値によって、コントロールするという逆問題の場合である。どちらの場合も、超関数表現とsuccessive elimination of linesの数値計算法がうまく機能することを示した。 2.仮想領域を用いた沿岸生態系や医療分野の数理モデルとその数値シミュレーション。 仮想領域・領域分割法を応用して、半透膜等を含んだ複雑な脳脊髄液腔における流動を計算するための数理モデルを構築し、具体的な形状に応じた数値計算を行った。また、石油タンカーの座礁等により流れ出したオイルの沿岸生態系への影響を数値シミュレーションでもって示した。ここでも多層の媒質(空気、海水、砂浜・オイル・微生物)からなる数理モデルを定式化し、数値計算とその数値シミュレーションを行った。 以上の研究成果は、国際会議や国内の学会・研究集会で口頭発表するとともに、論文として、2002年に発表されている。
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