研究課題/領域番号 |
14540106
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研究機関 | 電気通信大学 |
研究代表者 |
加古 孝 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (30012488)
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研究分担者 |
牛島 照夫 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (10012410)
吉田 利信 電気通信大学, 電気通信学部, 教授 (30114341)
小山 大介 電気通信大学, 電気通信学部, 助手 (60251708)
張 紹良 東京大学, 大学院・工学系研究科, 助教授 (20252273)
水藤 寛 岡山大学, 環境理工学部, 助教授 (10302530)
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キーワード | 外部ヘルムホルツ問題 / 有限要素法 / 固有値変分公式 / ディリクレ・ノイマン写像 / 基本解近似解法 / 音声生成 / 仮想領域法 / 調音モデル |
研究概要 |
研究最終年度の本年、研究代表者の加古は、数値計算手法の応用として、より自然な母音の周波数応答曲線を与える計算手法お開発と連続する母音のシュミレーションにたいする取り組みを、博士後期課程大学院生の東田憲太郎と共に進め、幾つかの興味深い現象を発見した。特に、フォルマントに対応する複素固有値の変分公式の妥当性について数値計算例を通して確認し、変分公式を利用した声道の計状設計への応用の可能性を追求し数値例でその有効性を確認することができた。また、過渡応答に用いることができる数値解法として電磁場解析で有効性が確認されている有限差分時間領域法に完全吸収層を組み合わせた数値解析法の音響問題への適用について、大学院生の大井祥栄とともに検討を始め基礎的な研究成果を得た。次に研究分担者による研究成果を述べる。牛島照夫は、2次元外部帰着波動問題の基本解近似解法の数学解析と数値的実証において、高周波問題では多倍長計算を用いることが本質的であることを明らかにした。吉田利信は、調音モデルパラメータから音声の伝達特性への写像を、ニューラルネットワークを用いて獲得する手法を開発した。今村俊幸は、高性能な数値線形代数の実装を保証する技術として、キャッシュの不安定性を動的に取り除く技術開発に成功した。小山大介は、3次元ヘルムホルツ問題に対する仮想領域法と外部ヘルムホルツ問題に対するDtN有限要素法の理論誤差解析を行い理論から導かれる結果を確認する数値実験を行った。水藤寛は、開領域におけるヘルムホルツ方程式の数値解析の応用として、インピーダンスが異なる柱状領域を伝播する波の反射を最小化する形状最適化問題に取り組み、従来の常識とは異なる数値結果を得た。張紹良は、科学や工業における数値シュミレーションや最適化問題などでしばしば現れる線形方程式系の解法につきCG法系統の非定常反復法の研究を進めた。
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