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2003 年度 実績報告書

確率論的プログラミングの多次元データ処理問題への応用

研究課題

研究課題/領域番号 14540108
研究機関東京理科大学

研究代表者

明石 重男  東京理科大学, 理工学部, 教授 (30202518)

研究分担者 宮寺 隆之  東京理科大学, 理工学部, 助手 (50339123)
大矢 雅則  東京理科大学, 理工学部, 教授 (90112896)
キーワードε-エントロピー / 数値表データ圧縮 / Hilbertの第13問題 / 重ねあわせ表現 / low band pass filter / コンパクト楕円体の被覆問題 / Baireのカテゴリー定理
研究概要

平成15年度は、「多変数関数族の重ねあわせ表現問題と多次元数値表データ処理問題への応用」を中心とした研究を行ない、以下に示すような研究実績を得た。
(1).Hilbertの第13問題の整関数版の解決
1900年にParisにおいて開催された国際数学者会議において、D.Hilbertが行なった総合講演「数学の今後を方向付ける23個の問題」という基調講演の中で13番目に提示された「全ての多変数連続関数を、より少ない数の引数を持つ幾つかの多変数連続関数の重ね合わせ表現として記述できるか否か」という問題は、約50年後にKolmogorovとArnoldによって「記述可能」という形で解決されたが、この結果が大方の予想に反していたこともあり、「連続関数」という条件を他の数学的条件で置き換えることにより得られる様々な派生問題に興味をむけることとなった。研究代表者は、上記問題を分析することにより、「表現可能性」という概念が、「強表現可能性」という概念と「弱表現可能性」という概念に更に細かく分類されること、更に「表現不可能性」という概念についても同様に「強表現不可能性」という概念と「弱表現不可能性」という概念に分類されることを示し、今までに、KolmogorovやArnoldやVituskin等によって得られてきた結果の再整理を行なった。更に「連続関数」という条件を「整関数」に置き換えた場合に「強表現不可能性」が成立することを、複素関数論に位相解析的手法を適用することで証明した。
(2).数値表データ圧縮問題における圧縮効率の下限評価
Gibbs現象に例を見るように、従来のFourier解析に基づく数値列データ圧縮法は、不連続点を有する数値列に対して、不連続点近傍での収束が遅い点、さらにGibbs現象から引き起こされる累積誤差が半永久的に存続するという点で不備が指摘されていた。上記問題に対する従来の解決法は、low band pass filterを用いてFourier係数列の高周波成分のうち、一定周波数以上を全て切り落とすというものであったが、これは元の関数の急勾配部分に対する近似を不十分にするという問題も含んでいた。これに対して高周波成分を漸近的に除去する方法を提唱し、この手法により与えられた関数が滑らかに近似再生できることを示した。更にProsserによりえられた「Hilbert空間上のコンパクト楕円体の被覆問題」の結果を本手法に適用することにより、上記近似方法が、L2-ノルムによる近似精度を一定にした場合に、もっとも少ないデータ量を達成し得ることを証明した。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] S.Akashi: "A version of Hilbert's 13th problem for analytic functions"The Bulletin of the London Mathematical Society. 35. 8-14 (2003)

  • [文献書誌] S.Akashi, S.Iriyama: "Estimation of complexity for the Ohya-Masuda-Volovich SAT algorithm"Open Systems and Information Dynamics. (To be published).

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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