研究概要 |
分枝過程の生物個体群動態への応用として,主として藤曲が以下のような知見を得た。 1.Controlled branching Processを用いて,個体群の密度依存性と動態安定性の関係。 2.Multiply-controlled branching processを用いて,動態の周期的変動と密度依存の遅れとの関係。 3.General continuous branching processを用いて,一種の個体群の齢構成と増殖率および生存曲線との関係。 4.Simple branching processを同時に多数用いて,生態学的群集の構造と環境のランダム変動および移入導との関係。 これらの結果の一部は著書「確率過程と数理生態学」にも取り入れることができた。以上で得られた知見は数学的にはまだ明らかにされていないことが多いが,コンピュータシミュレーションを活用することで得られたものである。今後,これらの問題をさらに発展的にかつ数学的にも研究を進めたい。 また,確率論の極限定理の観点から,主として高信が次の結果を得た。 5.ディリクレの密度定理に関連した中心極限定理スケーリングとそれが収束する場合の極限分布。 他方,偏微分方程式の粘性解の観点から,主として後藤が次の問題についての知見を得た。 6.Hamilton-Jacobi方程式に対するdynamic boudary condition。 また,非線形偏微分方程式系の数値解析の観点から,主として小俣が次の問題についての知見を得た。 7.Ginzburg-Landau双曲型方程式系によって支配された運動。
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