研究概要 |
研究実績の概要は以下のとおり. 研究代表者の石井は平均曲率流に対する近似アルゴリズムについて研究した。1992年にBence, Merriman, Osherによって熱方程式を用いた近似アルゴリズムが考案され、その数学的基礎や拡張が多くの数学者によって与えられた。石井は彼らのアルゴリズムから平均曲率流を直接導き出すような収束の証明を与え、現在投稿中である(後藤陽子、小川卓克両氏との共同研究)。この研究に動機付けられ、彼らのアルゴリズムから構成された平均曲率流の性質について研究を開始している。また、半線形熱方程式に対する解の爆発時刻後の接続について、常微分方程式の解の爆発との関係を用いて鈴木貴氏と共同研究中である。 研究分担者の丸尾は全空間で定義された半線形退化楕円型方程式を取り上げ、主要部の係数に球対称性を仮定して、球対称な粘性解が無数に存在すること、また無限遠方での振る舞いによって分類できることを示した(冨田義人氏との共同研究)。この研究はMath.Japonicae(2003)に掲載されている。 電気工学、機械工学の分野ではラプラス変換や等角写像の数値計算が必要になることが多い。その際、代用電荷法と呼ばれる数値計算法がよく用いられる。研究分担者の影山は代用電荷法に基づく補間法に現れる係数行列の正則性について研究した。また、関数近似に現れるある種の補間法について研究中である。
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