研究課題/領域番号 |
14540127
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
上原 健 佐賀大学, 理工学部, 教授 (80093970)
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研究分担者 |
寺井 直樹 佐賀大学, 文化教育学部, 助教授 (90259862)
市川 尚志 佐賀大学, 理工学部, 教授 (20201923)
中原 徹 佐賀大学, 理工学部, 教授 (50039278)
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キーワード | 代数関数体 / 代数幾何符号 / 符号の最小距離 / 整数環の巾底 / タイヒミュラー基本亜群 / モノドロミー表現 / グラースマン多様体 / 1次自由分解 |
研究概要 |
代数関数体を用いて誤り訂正符号を代数的に構成しその最小距離を特定する研究と、代数的整数論、数論的代数幾何学、代数幾何学、代数的組合せ理論のそれぞれの分野での関連する研究を行った。符号構成と最小距離特定の研究では、平成14年度の研究では、一点代数幾何符号と呼ばれるタイプの代数幾何符号について、符号Cの誤り訂正能力を測る重要な量である最小距離d(C)の特定を行った。詳しく言えば、一点代数幾何符号Cがある条件を満たせばd(C)がそのFeng-Rao下限d'(C)に一致することを証明し論文にまとめて公表した。本年度は、一点型以外の代数幾何符号に対してFeng-Rao下限を計算して、一点型より優れた誤り訂正能力をもつ符号の構成を目指した。その結果、一点型で扱われなかった次元の符号を補完する形で、従来の計算手法を応用して一点型ではない符号を構成し、Feng-Rao下限が一点型に比較して大きい符号が存在することを示した。更に、そのような優れた代数幾何符号が存在するための条件を緩和して、得られた結果の拡張を試みているが、年度内に完成した形で公表するまでには至らなかった。関連した研究では、代数的整数論において、ハッセの問題についてガロア群が2-基本群であるアーベル16次体以上はその極大整還が巾底をもたないこと、および8次体では、ある条件の元で巾底をもつものは円周24等分体のみであることを証明した。数論的代数幾何の分野では、共形場理論から導かれるタイヒミュラー基本亜群のモノドロミー表現を記述し、アーベル多体の1次元部分代数多様体に関するボゴモロフ予想の証明を与えた。また、代数幾何学の分野で、グラースマン多様体の同次座標環の同次部分について、準単純リー環sl(n)の表現空間としての性質を研究し、代数的組合せ理論では、1次自由分解をもつBuchsbaum Stanley-Reisner環について研究し、そのヒルベルト関数による特徴付けを得た。
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