研究課題/領域番号 |
14540128
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研究機関 | 佐賀大学 |
研究代表者 |
半田 賢司 佐賀大学, 理工学部, 助教授 (10238214)
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研究分担者 |
清水 昭信 名古屋市立大学, 自然科学研究教育センター, 教授 (10015547)
三苫 至 佐賀大学, 理工学部, 教授 (40112289)
小倉 幸雄 佐賀大学, 理工学部, 教授 (00037847)
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キーワード | ヤング図形 / 抽出理論 / 集団遺伝学 / partition structure / Ewens分布 |
研究概要 |
1. 主にヤング図形の集団上の分布について体系的な研究を行った。考察したのは2つのクラスについてであり、一つはKingmanにより導入されたpartition structures、もう一つはVershikが研究した乗法的分布である。前者は集団遺伝学の抽出理論を動機としており、後者は整数論・組み合わせ論・表現論など幅広い数学の分野で現れる。このような2つのクラスに共通して属する重要な分布としてEwens分布があるが、逆にこれの特徴付けとして「Ewens分布は唯一の乗法的partition structureを定義する」という主張を示すことができた。Ewens分布については、集団遺伝学の分野で現れる数学の専門家である清水を介して他の専門家たちと交流することにより、情報を収集した。関連書籍の購入は半田が行った。分布に関する定量的な結果をシミュレートするために、パソコンを購入した。 2. 半田はまた、抽出理論で現れる分布を従属過程の多重積分で得られる分布の場合に論じ、その数学的構造を探った。特に、分布の重要な汎関数であるエントロピーに対して、有用と思われる積分表示を得たため、9月の日本数学会年(於千葉大学)でそれについて口頭発表を行った。現在は他の重要な汎関数についての分析を追加し、まとめの段階に入っている。随時、これらの結果について代表者分担者間の打ち合わせおよび専門家との直接的な交流を行った。 3. 小倉は、一般化されたランダム集合の収束に関する議論を展開し、中心極限定理のレベルにおいて結果を得た。 三苫は、無限次元幾何学の観点から一つの汎関数解析的な考察を与えた。
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