研究課題
基盤研究(C)
ヤング図形の集団の上の分布はランダムな(整数)分割の分布とみなせるため、それらの分類を行い、互いの関係を調べた。既に知られているものとしては、次の3つの型が挙げられる。・集団遺伝学における抽出理論で現れるもの・整数論や組み合わせ論で現れるGibbs型のもの・表現論で重視される行列式型のもの集団遺伝学において最も基本的な分布とされるEwens分布はWright-Fisherの拡散モデルの平衡状態(可逆分布)に付随するため、同モデルを一般化したGillespie-Satoモデルと呼ばれる拡散モデルを考えた。一般化といっても、拡散係数を一般化したものであるため、数学的には単なる摂動として考えられる類の変形ではなく、可逆分布がもしあったとしてもそれはWrightの公式から簡単に予想できるものではない。我々は、可能なすべての可逆分布の具体形を求めることに成功した。それはあるDirichlet分布に絶対連続な分布であるのだが、そのDirichlet分布のパラメータの部分とそれに掛かる因子の部分には、拡散係数に含まれるパラメータが入りこんできており、一見複雑である。しかし、言わばGibbs分布のような捉え方が可能であることを指摘し、そこでのポテンシャル関数も、エントロピー型の関数として明示することができた。極限定理との関係では、平衡状態への収束を強い形で意味する対数Sobolev不等式が得られた。小倉は、ある種のランダム集合の極限定理、特に中心極限定理・大偏差型定理について議論を進め、そこにおける速度関数としてエントロピー型の汎関数が現れることを指摘した。三苫は、無限次元解析の立場から確率振動積分を考え、藤原理論の無限次元化を適用して振動レベルに関する漸近展開定理を得た。
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すべて 雑誌論文 (8件)
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