研究概要 |
本研究は、サイクルデザインとパスデザインに関するものである。「デザイン」とは、バランスのとれた配置のことであり、「サイクルデザイン、パスデザイン」とは、完全グラフや完全2部グラフにおいて、サイクルやパスで、枝や2-pathをuniformにcoverするデザインのことである。 本年度は、2-pathによるuniform coveringの研究と完全2部グラフの1因子分解の研究を中心に行った。成果として得られた結果は次のとおりである。 1.7以上のすべての奇数nについて、n次完全グラフの対称型ハミルトンサイクル分解を新しく構成した。 2.すべての正の偶数nについて、n次完全グラフの5-pathによる2-pathの完全被覆を構成した。 3.2n次完全2部グラフの完全1因子分解について、nが偶数の時は存在しないこと、また、nが奇数の時は完全グラフの完全1因子分解から導かれることを証明した。 4.nが偶数のときのn次完全グラフの5-pathによる2-pathの完全被覆は(1)で構成した。この論文では、nがmod 8で1と合同なときに、その完全被覆を構成した。これにより、5-pathによる2-pathの完全被覆問題は完全に解決された。 5.nが7以上の整数のとき、n次完全グラフの6-pathによる2-pathの完全被覆が存在するための必要十分条件は、nがmod 5で0,1,2と合同であることを証明した。
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