研究概要 |
本研究では、サイクルデザインとパスデザインに関する研究を行った。その中でも、「完全グラフのk-cycleやk-pathによる2-pathの完全被覆問題」についての研究を行った。具体的な成果としては、「完全グラフの5-path,6-path,6-cycleによる2-pathの完全被覆問題」を解決した。すなわち、それらの完全被覆を構成し、それらの完全被覆が存在するための必要十分条件を示した。 上記の「完全グラフのk-cycleやk-pathによる2-pathの完全被覆問題」において、cycleが特にハミルトンサイクルのときは、古くから有名なDudeneyの円卓問題である。Dudeneyの円卓問題については、偶数次のときはすでに解決しているが、奇数次のときは未解決である。奇数次のときに解決するためには、p+2次(pは奇素数)のときの解決が核となる。この場合は、black 1-factorが深く関わっている。そこで、本研究では、p+1次black 1-factorが存在すればp+2次Dudeney setを構成できること、および、p+1次black 1-factorが存在するための必要条件はmod pで2が平方剰余であることを証明した。また、computerを用いて、これまでに未発見のblack 1-factorを示した。これにより、新しいDudeney集合を構成することができた。この成果は、2005年6月に行われたWorkshopにおいて発表を行い、現在は、論文執筆中である。上記のように、p+1次black 1-factorが存在するための必要条件は求められたが、十分条件については、また分かっておらず、それを解明することは今後の研究課題である。
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