研究概要 |
桂田は、中尾充宏・山本野人・渡部善隆氏の論文に従って、2次元長方形領域における定常Stokes方程式、定常Navier Stokes方程式の精度保証付き数値計算を行うC++プログラムを作成し、数値実験の追試(近似解の精度保証)に成功した(現在はC++上の区間演算ライブラリィProfil/BIASを用いているが、MATLAB ToolboxであるINTLABを利用したプログラムに書き換え中である)。計算の過程で多数出現する一般化固有値問題のアルゴリズムには、S.M.Rumpの提唱する方法を採用したが、まだ効率を上げる必要があり、引き続き連立一次方程式と一般化固有値問題の各種精度保証付き数値計算アルゴリズムを比較検討している。 森本は、従来の研究とは形状を変えた「V字型」領域における一般流速条件(general outflow condition)のもとでの定常Navier Stakes方程式の境界値問題の解の存在問題について研究した(Amickの方法を修正することで解の存在が証明できた)。 斉藤は、(1)摩擦型漏れ境界条件と摩擦型滑り境界条件のもとでのStokes方程式の解の正則性(藤田宏が得た弱解は強解であることの証明),(2)集中質量近似(lumped mass approximation)を用いた有限要素法の作用素論的取り扱い(線形放物型方程式とその区分的1次要素による半離散有限要素近似の誤差評価),(3)自己相互作用粒子系(system of self-interacting particles)に対する差分スキームの研究を行った。
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