研究課題/領域番号 |
14540153
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研究機関 | 千葉大学 |
研究代表者 |
志賀 弘典 千葉大学, 大学院・自然科学研究科, 教授 (90009605)
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研究分担者 |
松田 茂樹 千葉大学, 理学部, 助教授 (90272301)
筒井 亨 千葉大学, 理学部, 講師 (00197732)
杉山 健一 千葉大学, 理学部, 助教授 (90206441)
北詰 正顕 千葉大学, 理学部, 教授 (60204898)
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キーワード | シュワルツ写像 / 保型関数 / 虚数乗法 / 超幾何微分方程式 / ミラー対称性 / K3曲面 / モノドロミー / 三角群 |
研究概要 |
本プロジェクトで得られた成果は以下の2点である。 (1)Gaussの超幾何微分方程式に対してそのSchwarz写像の特異値の代数性は一般には得られない。では、どのような状況で代数的になるのか?Frankfurt大学のWolfart氏との共同研究によって、この困難な問題が以下のような文脈の元で解明された。Schwarz写像は超幾何曲線の第1種および、第2種微分の異なる積分サイクル上での周期の比である。その代数的性質は、超幾何曲線のヤコビ多様体の部分多様体であるプリム多様体の単純成分への分解および、各単純成分の虚数乗法性と関連して記述される。すなわち、虚数乗法体が現れる場合、その虚数乗法体の微分の空間への作用を考え、当初の微分が1次元の固有空間に属している場合に代数性が導かれることがこの研究における中心的成果である。 なお、このような一般定理に呼応する実例の呈示は、より詳細な研究へのステップとして不可欠であるが、上の現象を説明する虚数乗法的分解を示すSchawarz写像の実例も構成した。 (2)フックス型常微分方程式のSchwarz写像は、その微分方程式が見かけの特異点を有する場合は詳しい研究が皆無である。Farnkfurt大学wolfart教授との共同研究で、真の確定特異点が3点で他に見かけの特異点を持つ場合のSchwarz写像に関して、その代数点での値の代数性を研究した。この問題は、超幾何曲線上での第2種積分の周期の比を考察することから解明されることが分かった。 以上の研究は、現在まだ未解決のAndre-Oort予想の解明につながることが期待されるもので、まだ、幾多の未解決な問題を残しており、今後も解明に努力する予定である。
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