• 研究課題をさがす
  • 研究者をさがす
  • KAKENの使い方
  1. 課題ページに戻る

2002 年度 実績報告書

複素多様体間の正則写像

研究課題

研究課題/領域番号 14540155
研究機関東京工業大学

研究代表者

田辺 正晴  東京工業大学, 大学院・理工学研究科, 助手 (60272663)

キーワードリーマン面 / Jacobi多様体 / Torelliの定理
研究概要

以下,リーマン面と言えば種数2以上のコンパクトリーマン面のこととする。あるリーマン面Xからの正則写像が存在するリーマン面を調べるにあたって,XのJacobi多様体のendomorphismを調べることは非常に有用である。本研究の特色は,実リーマン行列と呼ばれる,複素共役を取ることに対応する,Jacobi多様体の実構造に作用するautomorphismを使うところにある。実リーマン行列から正値対称行列が自然に出てくることは,通常の,虚部が正値になる複素リーマン行列においても同じである。また実リーマン行列とJacobi多様体のendomorphismの実表現が可換であること等から,数の幾何学に於ける格子点の理論の適用が容易であり,そこから正則写像達の分布の幾何学的イメージが描きやすい。これらのことを使って、リーマン面間の正則写像の有限性等について、研究をすすめた。その過程で、良く知られた、2つのリーマン面の等角同値性を与えるTorelliの定理の、ある種の拡張が可能なのではないかと言うかとに思い到った。Torelliの定理を実リーマン行列を使って表現すると、次のようになる。即ち『2つのリーマン面について、各々の実リーマン行列をG, G'とおいたときに、PSL(g, Z)の元MでMG=GM'をみたすものが存在するならば、2つのリーマン面は等角同値である。(逆も言える。)』さて、種数の異なる2つのリーマン面間に正則写像が存在する時、各々の実リーマン行列G, G'に対してMG=G'MかつPSL(g, Z)に準ずるある条件をみたす整数係数の行列Mが存在することがわかる。これの逆、つまり、『種数の異なる2つのリーマン面において、各々の実リーマン行列G, G'に対してMG=G'MかつPSL(g, Z)に準ずるある条件をみたす整数係数の行列が存在するときに、正則写像が存在する。』ことを、有る条件のもとで示した。

  • 研究成果

    (1件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (1件)

  • [文献書誌] 田辺 正晴: "無限型リーマン面間の位相同型とFuchs群モデルの同型について"RIMS Kokyuroku. 1270. 63-66 (2002)

URL: 

公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

サービス概要 検索マニュアル よくある質問 お知らせ 利用規程 科研費による研究の帰属

Powered by NII kakenhi