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2003 年度 実績報告書

無限次元タイヒミュラー空間上のモジュラー群の力学系

研究課題

研究課題/領域番号 14540156
研究機関お茶の水女子大学

研究代表者

松崎 克彦  お茶の水女子大学, 理学部, 助教授 (80222298)

研究分担者 須川 敏幸  広島大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (30235858)
キーワードリーマン面 / タイヒミュラー空間 / モジュライ空間 / モジュラー群 / 双曲幾何
研究概要

タイヒミュラー空間は非等質的な空間であり,モジュラー群は推移的には作用しない.コンパクトリーマン面の場合,モジュラー群の作用は不連続であるが,タイヒミュラー空間が無限次元になるとこの様相は一変する.従って,軌道の集積点集合を考えれば,メビウス変換のクライン群や有理関数の反復合成と同様に,極限集合(ジュリア集合)の概念を導入することができる.このカオス的様相とタイヒミュラー空間の非等質性をあわせて,無限型リーマン面のモジュライ空間を新しい研究対象としてとらえなおした.加えて,高次元代数多様体のように,安定多様体に限定してモジュライ空間を考えたほうがより計量幾何学的な構造を導入できる事例をみて,モジュライ空間の縮約による構成法が重要であることに気が着いた.
一般位相幾何学的には,このモジュライ空間は距離付け可能な場合と第一分離公理すらみたさない場合の両極にわかれ,しかも自己同型による対称性の高い場合ほど後者になることがわかった.しかし特異性は一部分にしかなく,残りはよい構造(複素バナッハ構造など)が入りうる部分である.このような安定領域をリーマン面の双曲幾何学的特性で特徴づけ,安定領域を完備化することにより,複素構造全体をある同値関係で縮約したモジュライ空間を構成した.具体的には,1点集合の閉包(これを新たに1点とみなすことが縮約に相当する)をリーマン面上の幾何で記述することが可能になり,意味のあるモジュライ空間の点とは何かを具体的に与えられようになった.方法はタイヒミュラーモジュラー群の作用の力学系に関する議論であったが,擬等角写像,関数空間上の合成作用基,双曲幾何学,保型関数などからの結果を組み合わせて用いた.

  • 研究成果

    (6件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (6件)

  • [文献書誌] K.Matsuzaki: "Conservative action of Kieinian groups with respect to the Patterson-Sullivan measure"Comput.Methods Funct.Theory. 2. 469-479 (2002)

  • [文献書誌] K.Matsuzaki: "The infinite direct product of Dehn twists acting on infinite dimensional Teichrmuller spaces"Kodai Math J.. 26. 279-287 (2003)

  • [文献書誌] K.Matsuzaki: "An extension of the collar lemma"数理解析研究所講究録. 1329. 58-61 (2003)

  • [文献書誌] K.Matsuzaki: "A countable Teichmuller modular group"Trans.Amer.Math.Soc.. 発表予定(未定).

  • [文献書誌] T.Sugawa: "Inner radius of univalence for a strongly starlike domain"Monatsh.Math. 139. 61-68 (2003)

  • [文献書誌] T.Sugawa: "Uniformly perfect sets : analytic and geometric aspects"Sugaku Expo.. 16. 225-242 (2003)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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