研究概要 |
1.Dはn次元ユークリッド空間の有界な一様領域とする。ω=D×(0,T)内の任意の2点X, Yに対し、XとYを結ぶ放物型シリンダーの列で、各放物型シリンダーの大きさが、Ωの側面までの放物型距離ρと同等で、XとYを結ぶ放物型シリンダーの数がlogρ(X,Y)の定数倍でおさえられるものがあることを証明した。 これを使って、R^n×[0,T]で定義された適当になめらがな関数fに対しては、Ωの側面上のベゾフ空間の関数としてのノルムのp乗は、|∇f|^pと側面までの放物型距離関数の適当なべきとの積の、Ωの内部D×(0,T)上の体積積分の定数倍で、おさえられることを証明した。 また、その応用として、Ωの側面上の2重層熱ポテンシャルに関連した作用素の有界性を証明をした。 2.空間Xは有界な擬距離を持ち、球に対して下からの評価が与えられているようなダブリング測度を持つホモジニアス型の空間とする。この空間X上に、α-Rieszポテンシャルを定義し、この定義によるα-Rieszポテンシャルに対しても、ソボレフ型のシャープな評価が得られることを証明した。この空間Xはn次元ユークリッド空間の有界な領域を拡張したもので、2002年にチェコのカルル大学のMalyとPickによって得られたソボレフ型の不等式は、我々の結果のα=1の場合に相当する。
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