研究課題
解析学では様々な作用素が極大関数の定数倍でおさえられることが知られている。従って極大関数を評価することが重要になる。極大関数の測度によるstrong typeとweak typeの評価はよく知られている。しかし関数をなめらかさの度合いまで含めて評価するひとつの手段としては、D.A.AdamsとJ.Orobitg-J.Verderaがユークリッド空間で行っている、α-Haudsdorff容量に関する積分で、極大関数を評価するという方法がある。そのためには、極大関数やα-Haudsdorff容量の定義のとき基準となる球やcubesに対して、同じ大きさならできるだけ重なりを少なくしたほうが評価しやすい。また、擬距離空間にはユークリッド空間の時のように、座標を使って定義するdyadic cubesの存在は期待できないが、同じ大きさの球の族で、重なりが決まった定数以下であるようなdyadic cubesと呼ばれる族を構成することができる。これを使って、このような球の族のみを対象とするような、通常の極大関数やα-Haudsdorff容量と同値な「極大関数」や「α-Haudsdorff容量」を定義することができる。この「極大関数」や「α-Haudsdorff容量」を使って、擬距離空間でも極大関数をα-Haudsdorff容量に関する積分でstrong typeとweak typeで評価することが可能になることがわかった。
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Nonlinear Analysis, Theory, Methods and Applications (to appear)