研究分担者 |
加須栄 篤 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (40152657)
菅野 孝史 金沢大学, 理学部, 教授 (30183841)
一瀬 孝 金沢大学, 理学部, 教授 (20024044)
清水 悟 東北大学, 理学研究科, 助教授 (90178971)
野口 潤次郎 東京大学, 数理科学研究所, 教授 (20033920)
|
研究概要 |
Mをn次元連結パラコンパクト複素多様体,C^nをn次元複素ユークリッド空間とし,Aut(M)およびAut(C^n)をそれぞれの(コンパクト開位相を入れた)双正則自己同型群とするとき,本研究の主要な目的の一つは「Aut(M)とAut(C^n)が位相群として同型であるならば,MはC^nに双正則同値であるか?」という基本問題を解決することであった。しかし,最近ロシアの数学者A.V.IsaevとN.G.Kruzhilinはn次ユニタリ群U(n)が双正則自己同型として効果的に作用するような複素多様体Mの分類理論を作り,その応用として上述の基本問題を肯定的に解決した。 これを受けて,研究代表者児玉は,研究分担者清水との共同研究において,「n次元スタイン多様対Mに対して,Aut(M)とAut(C^k×(C^*)^<n-k>)が位相群として同型であるならば,MはC^k×(C^*)^<n-k>に双正則同値である。ただし,C^*=C\{0}で,Kは0≦K≦nを満す整数とする.」ことを証明した。この結果はIsaev-Kruzhilinの分類理論からは導くことが出来ない新しいものであり,論文として印刷公表する予定である。 研究分担者加須栄は正則ディリクレ空間と内在的距離に関する幾何解析の問題として,スペクトル収束理論を中心に研究した。具体的には,強縮小半群を持つ正則ディリクレ空間族のプレコンパクト性のより詳細な解析として,エネルギー形式のモスコ収束,ディリクレ形式の部分の収束,エネルギー最小写像の収束などの問題に関して研究成果をあげた。
|