研究分担者 |
今吉 洋一 大阪市立大学, 理学研究科, 教授 (30091656)
加須栄 篤 金沢大学, 自然科学研究科, 教授 (40152657)
一瀬 孝 金沢大学, 理学部, 教授 (20024044)
清水 悟 東北大学, 理学研究科, 助教授 (90178971)
野口 潤次郎 東京大学, 数理科学研究科, 教授 (20033920)
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研究概要 |
Mをn次元連結パラコンパクト複素多様体,C^nをn次元複素ユークリッド空間とし,Aut(M)およびAut(C^n)をそれぞれの(コンパクト開位相を入れた)双正則自己同型群とするとき,本研究の主要な目的の一つは「Aut(M)とAut(C^n)が位相群として同型であるならば,MはC^nに双正則同値であるか?」という基本問題を解決することであった.しかし,2002年にA.V.IsaevとN.G.Kruzhilinはn次ユニタリ群U(n)が双正則自己同型群として効果的に作用するような複素多様体Mの分類理論を作り,その応用としてこの基本問題を肯定的に解決した. これを受けて,研究代表者児玉は,研究分担者清水との共同研究において次のことを証明した:「n次元スタイン多様体Mに対して,Aut(M)とAut(C^k×(C^*)^<n-k>)が位相群として同型であるならば,MはC^k×(C^*)^<n-k>に双正則同値である.」この結果はIsaev-Kruzhilinの分類理論からは導くことが出来ない新しいものであり,論文として2004年3月に印刷公表された. さらに,本年度の研究成果として,児玉は清水との共同研究において,この結果が「複素多様体Mが必ずしもスタインでなくとも,Mが正則分離で,しかも滑めらかなスタイン正則包を持つ場合」にも成立することまで一般化出来ることを示した.また,その証明の過程で用いたアイディアの応用として,いくつかの高次元単位球の直積を双正則自己同型群の観点から特徴付けることが出来ることがわかり,論文として印刷公表する予定である.さらに,児玉,清水と韓国の数学者Jisoo Byunとの共同研究として,n次元単位球とm次元ユークリッド空間の直積の特徴付けに成功した.
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