研究課題/領域番号 |
14540171
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研究機関 | 静岡大学 |
研究代表者 |
清水 扇丈 静岡大学, 工学部, 助教授 (50273165)
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研究分担者 |
柴田 良弘 早稲田大学, 理工学部, 教授 (50114088)
菊地 光嗣 静岡大学, 工学部, 教授 (50195202)
星賀 彰 静岡大学, 工学部, 助教授 (60261400)
足達 慎二 静岡大学, 工学部, 助教授 (40339685)
中島 徹 静岡大学, 工学部, 助教授 (50362182)
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キーワード | ストークス方程式 / ノイマン境界条件 / 解析的半群 / 局所エネルギー減衰 / Lp-Lq評価 / 最大正則性 / 自由境界値問題 |
研究概要 |
ストークス方程式をノイマン境界条件の下で考えた場合の非定常問題の考察を行った。この問題は、自由境界値問題の線形化問題として意味を持つ。このテーマは、既にGrubb, Solonnikov等の研究者によって擬微分作用素の理論に基づき考察されているが、我々は、関数解析的手法により次の手順で解析した。(1)レゾルベント問題の解析(2)解析的半群の構成(3)Lp-Lq評価(4)最大正則性定理の証明。(1)については、既に結果を得ており、Differential Integral Equations 16(2003)385-426に掲載されている。(2)(3)(4)が本年度の主たる仕事である。 (2)については、まずヘルムホルツ分解を定式化した。ストークス方程式は流速と圧力という未知関数を持つが、圧力を消し流速のみからなる同値な問題に帰着した。そして、(1)の結果と併せて解析的半群による解を構成した。次に(3)として、非線形方程式を解くために必要となる外部領域の場合のLp-Lq評価式を導出した。レゾルベントパラメータが0の近傍での解の解析を行い局所エネルギー減衰を示し、それを利用してLp-Lq評価式を導出した。ディリクレ境界条件の場合は、解の一階微分のLp-Lq評価にq≦n(nは空間次元)という制限がつくが、ノイマン境界条件の場合は、この制限がなく、ディリクレ境界条件の場合よりも良い評価となるのが特徴である。Navier-Stokes方程式に対する自由境界値問題を、Lagrange座標を用いて自由境界値問題を固定境界における初期境界値問題に直すが、このとき得られる方程式は、主部の係数に未知関数を含む準線形方程式となるため、(3)に加えてさらに最大正則性評価(4)を示すことが必要となる。Weisにより一般化されているR-有界性を示すことにより、作用素値関数に対するFourier掛け算定理を適用することで最大正則性の証明に成功した。これらの研究成果については現在論文執筆中である。
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