研究課題/領域番号 |
14540179
|
研究機関 | 高知大学 |
研究代表者 |
諸澤 俊介 高知大学, 理学部, 助教授 (50220108)
|
研究分担者 |
谷口 雅彦 京都大学, 大学院・理学研究科, 助教授 (50108974)
加藤 和久 高知大学, 理学部, 教授 (20036578)
新関 章三 高知大学, 理学部, 教授 (60036572)
木坂 正史 京都大学, 大学院・人間・環境学研究科, 助教授 (70244671)
藤解 和也 金沢大学, 大学院・自然科学研究科, 助教授 (30260558)
|
キーワード | 複素力学系 / ファトウ集合 / ジュリア集合 / 超越整関数 / 特異値 / 構造有限型超越整関数 / 複素誤差関数 / 遊走領域 |
研究概要 |
諸澤はベーカー領域と遊走領域を持つある超越整関数に対して適当な広義一様収束する多項式列のジュリア集合とファトウ集合の列がハウスドルフ収束とカラテオドリ収束することを示した。また谷口と複素誤差関数の力学系について研究した。これは特異値の数がふたつの超越整関数であり、特異値がただひとつである指数関数に次いで超越整関数の力学系の研究において基本的なものと考えられる。特に実係数の複素誤差関数について考察をすすめた。完全不変成分を持たない双曲型有理関数の力学系ではおこりえない、ふたつのファトウ成分の境界が共通の曲線を含むことが複素誤差関数ではありえることを示した。 新関は誤差項のついた台形公式を用いてスターリングの公式の簡潔な証明を与えた。 加藤は双曲的な反復写像系のアトラクタを記号力学系を用いて表現することにより,その力学的構造を明らかにすることを研究した。 谷口は構造有限型の超越整関数の力学系の考察を続けた。これは∫P(z)exp(Q(z))dz(PとQは多項式)とかける超越整関数である。特異値の数は常に有限個である。構造有限型の超越整関数のジュリア集合のハウスドルフ次元が常に2であることを示した。また非退化なn連結な平面領域に関するベルの問題を肯定的に解決した。 藤解は多項式と有理式の値域から限定される函数族の有限性に関して研究した。ある種の値分布で確定される函数の族を具体的に与えたが、これらが整数係数を持つことによりp進体上の例となるという知見を得た。 木坂は構造有限な超越整関数のジュリア集合の位相的な性質を調べた。また,2重連結な遊走領域や一般にn重連結な遊走領域を持つ超越整関数を擬等角手術を用いて構成した。
|