研究課題/領域番号 |
14540184
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研究機関 | 国際基督教大学 |
研究代表者 |
森本 光生 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (80053677)
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研究分担者 |
鈴木 寛 国際基督教大学, 教養学部, 教授 (10135767)
清水 勇二 国際基督教大学, 教養学部, 準教授 (80187468)
山川 あい子 国際基督教大学, 教養学部, 助教授 (80112754)
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キーワード | 解析汎関数 / リー球 / 建部賢弘の円理 / 和算 / 円理弧背術 / 綴術算経 |
研究概要 |
1)2005年度の成果のひとつは、2004年8月に国際基督教大学で開催した第12回国際有限無限次元複素解析会議の報告書(Proceedings)を九州大学出版会より出版したことである。46篇の論文を載せ、会議の成果を世に問うことができた。 2)解析汎関数などの超関数の研究に関連する分野の研究としては、リー球と双対リー球の一般化としてのNp球のバーグマン核を具体的に記述するという藤田景子との共同研究に関して、N4球に関しては韓国のJong-Do Parkが解決したという情報を得た。藤田景子と彼の結果の検討を行った。 3)和算における三角関数の萌芽を探る研究は次の2方面で行った。 3-1)建部賢弘の円理について研究を続けた。建部は『綴術算経』(1722)において数理解析的な方法で、逆正弦関数のテイラー展開を求めた。その後、『円理弧背術』(年号不詳)においてまったく別な代数的方法で、同じテイラー展開を求めた。中国から『算学啓蒙』を通じて導入された開方法と天元術を発展させて、関孝和と建部賢弘は算盤代数を展開した。算盤代数は、現代数学の多項式代数と同型である。『円理弧背術』の代数的方法は、当時の難問に挑戦するために、中国伝来の開方法と天元術を発展させたもので興味深い。これらの事に関しては、第13回国際有限無限次元複素解析会議(中国、汕頭)などいくつかの場所で講演し、論文にまとめたがまだ出版されていない。 3-2)小川束と共同研究で、『綴術算経』の英訳を行っている。第1次原稿は完成している。本年度は、国際基督教大学を訪問中の、Paul Ishihara博士に英語の校閲をしてもらった。また、数学的な内容について、注釈を作成中である。
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