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2002 年度 実績報告書

コンピュータを活用した作用素不等式とスペクトルの研究

研究課題

研究課題/領域番号 14540190
研究機関神奈川大学

研究代表者

長 宗雄  神奈川大学, 工学部, 教授 (10091620)

研究分担者 山崎 丈明  神奈川大学, 工学部, 助手 (60333150)
古谷 正  新潟大学, 教育人間科学部, 教授 (90018648)
古田 孝之  弘前大学, 名誉教授 (40007612)
キーワードHilbert space / operator / joint spectrum / hyponormal / n-tuple
研究概要

「コンピュータを活用した作用素不等式とスペクトルの研究」の研究課題の遂行のため、今年度は研究の初年度にあたり、研究の成果を上げるために、二人の研究者に来日いただいた。まず、チェコ・科学アカデミー教授Vladimir Muller氏には2002年10月28日に来日いただき11月9日帰国の間、共同研究を行った。さらにポーランドのAdam Mickiewicz大学教授Andrzej Soltysiak氏に2003年1月21日に来日いただき1月28日帰国の間、共同研究を行った。Muller氏とは、特に作用素のn-tuple A=(A_1,...,A_n),B=(B_1,...,B_n)に対してAB=(A_1B_1,...,A_nB_n),BA=(B_1A_1,...,B_nA_n)としたときのTaylorスペクトルσ(AB)とσ(BA)との関係について共同研究を行った。幸いなことに、A=(A_1,...,A_n)が可換な正規作用素のときにσ(AB)=σ(BA)が成立することの証明ができ、Spectral commutativity of multioperatorsとして、共著論文とするべく、Muller氏が帰国後も共同研究を続けている。Andrzej Soltysiak氏とは、特に非可換な作用素のn-tuple A=(A_1,...,A_n)に対してのjoint spectrumの特性化についての共同研究を行った。可換な作用素のn-tuple A=(A_1,...,A_n)のときにはTaylorスペクトルσ_T(A)が取れるが、非可換な作用素のときのjoint spectrumについてはR. Harte氏によるHarte spectrumなど知られているが、研究が進んでいない。Soltysiak教授は非可換な作用素のn-tuple A=(A_1,...,A_n)がhyponormal作用素のときにσ_π(A)=p(γ(II(σ(A)))の等式を発表した。今回の来日では、この等式をhyponormalより弱いp-hyponormalやlog-hyponormal作用素に一般化することを目的として山崎丈明氏を加えて、共同研究を行った。等式σ_π(A)=p(γ(II(σ(A)))は非可換な作用素のn-tuple A=(A_1,...,A_n)がp-hyponormal作用素でも成り立つことが分かり、これらの結果を3人での共著の論文On approximate point joint spectrum of p-hyponormal and log-hyponormal operatorsとしてまとめるべく、帰国後も共同研究を行っている。

  • 研究成果

    (7件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (7件)

  • [文献書誌] 長宗雄, 古谷正, R.Curto: "N-tuples of operators satisfying σ_T(AB)=σ_T(BA)"Linear Algebra Appl.. 341. 291-298 (2002)

  • [文献書誌] 長宗雄, 棚橋浩太郎: "Isolated point of spectrum of p-hyponormal, log-hyponormal operators"Integral Equations Operator Theory. 43. 379-384 (2002)

  • [文献書誌] 長宗雄, W.Y.Lee, R.Curto: "Triangular Toepliz contractions and Cowen's sets for analytic polynomials"Proc. Amer. Math. Soc.. 130. 3597-3604 (2002)

  • [文献書誌] 古田孝之: "A proof of an order preserving inequality"Proc. Japan Acad. Ser. A. 78. 26 (2002)

  • [文献書誌] 山崎丈明: "An expression of spectral radius via Aluthge transformation"Proc. Amer. Math. Soc.. 130. 1131-1137 (2002)

  • [文献書誌] 山崎丈明: "On numerical range of the Aluthge transformation"Liner Algebra Appl.. 341. 111-117 (2002)

  • [文献書誌] 古田孝之: "もっとMathematicaで数学を"培風館. 150 (2002)

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公開日: 2004-04-07   更新日: 2016-04-21  

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