研究分担者 |
山原 英男 大阪電気通信大学, 工学部, 助教授 (30103344)
萬代 武史 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (10181843)
浅倉 史興 大阪電気通信大学, 工学部, 教授 (20140238)
長渕 裕 阿南工業高等専門学校, 助教授 (60252607)
原 惟行 大阪府立大学, 大学院・工学研究科, 教授 (20029565)
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研究概要 |
2種類の時間遅れを持つ線形微分方程式(1)x'=ax(t-τ)+b∫^t_<t-h>x(s)dsに対し,4つのパラメータ即ち時間遅れを表すτ,hおよび,それらを含む項の係数a, bの漸近安定性など解の挙動に及ぼす影響について調べた。線形方程式に対する漸近安定性はその特性方程式の根の実部の最大値により決定される。したがって,パラメータの特性根への影響を調べることになる。この4つのパラメータは互いに独立ではなく,多少他のパラメータに依存する形で関係している。そこで,先ず,τ,hを固定した場合に,漸近安定性へのパラメータa, bの影響を調べた。任意のτ,hに対して考察するのは現在のところ困難であり,解析のための手がかりが掴めないでいる。したがって,τ,hが1:nまたはn:1の整数比である場合に限定して考察した。方程式(1)の零解が漸近安定であるための十分条件としての(a, b)の存在域(便宜上ab領域と呼ぶことにする)を示した。 一方,abを固定して考え,パラメータτ,hの影響を調べることも試している。この場合,abの固定の仕方としては典型的な7つのパターンに分類することが出来る。それぞれの場合について,零解が漸近安定であるための(τ,h)の存在域(便宜上τh領域と呼ぶことにする)を調べ,上の7つのパターンのうち4つのパターンについては十分条件としてのτh領域を求めることが出来た。その結果については現在,投稿準備中の段階にある。
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