研究課題/領域番号 |
14540196
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研究種目 |
基盤研究(C)
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配分区分 | 補助金 |
応募区分 | 一般 |
研究分野 |
基礎解析学
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研究機関 | 慶應義塾大学 (2004) 沼津工業高等専門学校 (2002-2003) |
研究代表者 |
厚地 淳 慶應義塾大学, 経済学部, 教授 (00221044)
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研究分担者 |
森 正気 山形大学, 理学部, 教授 (80004456)
北川 義久 宇都宮大学, 教育学部, 教授 (20144917)
鎌田 博行 宮城教育大学, 教育学部, 助教授 (00249799)
相原 義弘 沼津工業高等専門学校, 教養科, 教授 (60175718)
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研究期間 (年度) |
2002 – 2004
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キーワード | 除外指数 / 有理型写像 / 平坦トーラス / ネヴァンリンナ理論 / 等長的変形 / 不定値ケーラー計量 / 自己双対性 / デルタ劣調和関数 |
研究概要 |
本研究では、有理型写像の値分布に関する問題、特に、一意性や退化に関する問題と与えられた除外因子を持つような有理型写像を構成する問題を中心に取り組んだ。平成14-15年度は、代表者・相原と分担者・森により、与えられた超曲面に正の除外指数を持つ有理型写像の構成が研究された。従来は因子として超平面を与えた場合以外は殆ど研究されていなかったが一般の超曲面の場合を考察した。特に射影空間上に与えられた任意の効果的因子に対してその因子から定まる半開区間の各点を除外指数に持つ有理型写像を常に構成できることを示した。これらの研究により、非特異超曲面の除外指数の評価を従来得られていたものより大幅に改良することができた。さらに、除外指数の評価ができないような因子を決定した。一意性の問題に対して相原は、複素ユークリッド空間の解析的被覆空間から複素射影空間への有理型写像の一意性に対して幾何学的条件がどのような制約を与えるかを研究した。これらの研究により、当初の中心的研究目標は概ね達成されたが、平成16年度はさらに関連する問題の有理型写像の定義域を一般化する研究を代表者・厚地を中心に行った。ここでは、値分布論の研究の中心的道具であるネヴァンリンナ理論が、一般の完備なケーラー多様体上の有理型関数に対しても成立することを示した。 さらに、平成14-16年度を通して各分担者の研究により、以下のような成果も得られた。北川は、3次元球面内の閉曲面によって囲まれる体積は、閉曲面のいかなる等長的変形によっても不変であろう、と言う予想について研究し、3次元球面内の平坦トーラスについてはこの予想が正しいことを証明した。 鎌田は、スカラー曲率一定のケーラー計量(不定値でも正定値でもよい)を許容するヒルツェブルク曲面は、複素射影直線の直積に双正則な場合に限ることを示した。 以上の研究により、本研究の当初の目標は達成されたと言ってよい。これらの諸結果は、すでに学会等で発表され、専門誌に掲載済み及び掲載予定、または投稿中である。
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