研究課題/領域番号 |
14540207
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研究機関 | 広島大学 |
研究代表者 |
柴田 徹太郎 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90216010)
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研究分担者 |
吉田 清 広島大学, 総合科学部, 教授 (80033893)
水田 義弘 広島大学, 総合科学部, 教授 (00093815)
宇佐美 広介 広島大学, 総合科学部, 助教授 (90192509)
田中 和永 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20188288)
倉田 和浩 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10186489)
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キーワード | 非線形 / 固有値 / 漸近解析 / 変文法 / 特異摂動 |
研究概要 |
1.(1)2つの固有値パラメーターを含む非線形常微分方程式の固有値の漸近解析に関しては変分法的アプローチが有力であることが判明した。本研究ではこれらの結果をふまえ、2つのパラメーターを含む非線形楕円型方程式の固有値問題が単振り子の方程式に関連する常微分方程式の固有値問題の場合に固有値、固有関数の漸近解析を行った。この問題には、1つのパラメーターを含む問題には決して出現しないタイプの境界層をもつ解が現れるので、解の漸近挙動を詳しく解析した。 (2)また、採用する変分法の枠組みを取り替えることで、上記の方程式に対し、(1)で得られたものとは別の解を得ることができるが、その解は漸近的に2段のケーキ型の形状となることが判明した。このとき重要なのは、従属パラメーターの符号である。このパラメーターが非常に小さい負の値になると、2段ケーキ型の形をした解が出現することが判明した。このことは、考察する問題に応じて適切な変分法の枠組みを設定することで、様々な形状の解が得られることを示しており、我々が考察している方程式の解の構造が非常にリッチであることを示している。これは単振り子の方程式が具体的な物理現象を表す方程式だからであり、非線形項の周期性によるものである。 2.1パラメーターの非線形楕円型方程式の固有値問題に関して、摂動された単振り子の方程式に関連する偏微分方程式の固有値問題の固有関数の漸近解析を行った。この方程式の解は領域の内部でほぼ平らであるが、その解がどれぐらい平らであるかを調べるために、解の領域内部での漸近的性質を詳しく調べた。その結果、解の、固有値パラメーターに関する詳細な漸近展開公式を確立することに成功した。
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