研究課題/領域番号 |
14540209
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研究機関 | 山口大学 |
研究代表者 |
松野 好雅 山口大学, 工学部, 教授 (30190490)
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研究分担者 |
柳原 宏 山口大学, 工学部, 助教授 (30200538)
栗山 憲 山口大学, 工学部, 教授 (10116717)
牧野 哲 山口大学, 工学部, 教授 (00131376)
増本 誠 山口大学, 理学部, 助教授 (50173761)
岡田 真理 山口大学, 工学部, 助教授 (40201389)
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キーワード | 非線形波動方程式 / ソリトン / 逆散乱法 / 零分散極限 / ベンジャミン-小野方程式 |
研究概要 |
積分核を有する非線形波動方程式の重要なクラスである非局所的非線形シュレーディンガー方程式や、ベンジャミン-小野方程式に関して以下の成果を得た。 1.初期値問題の定式化 非局所的非線形シュレーディンガー方程式の初期値問題の逆散乱法による定式化を行った。具体的には、ヨスト関数に対する閉じた方程式系を順、及び逆散乱問題の解析により導いた。同時に、ヨスト関数の直交性や、完全性も証明した。また、無限個の保存則や、これらの散乱データによる表式も得た。本研究は、前年度に行った多重ソリトンポテンシャルに対する初期値問題の定式化をより一般の初期値に対して拡張したものである。 2.ソリトン解の新しい表式 ベンジャミン-小野方程式の多重ソリトン解を非線形の代数方程式系から導いた。これは線形代数程式系を通して多重ソリトン解を構成する逆散乱法の枠組みからは予想できない全く新しい発見である。同様の解析を、カドムチェフ-ペトビアシュビリ方程式の有理型多重ソリトン解に対しても行った。ここでの成果は、ベンジャミン-小野方程式の初期値問題の零分散極限での解の挙動を研究するためのひとつの足がかりになるものと期待される。 3.最近の研究のレビュー 積分核を有する非線形波動方程式に関して、研究代表者の最近の研究を中心にレビューを行い、英文の著書として公表した。具体的には、ベンジャミン-小野方程式、及びこれの2次元版、非局所的非線形シュレーディンガー方程式、及びこれの有限深さ版について、数学的側面から、特に初期値問題に焦点を当てて議論した。内容は、主としてこれら方程式の逆散乱形式での線形固有値問題の固有値、及び対応する固有関数の性質を扱った。
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