研究概要 |
今年度は、本研究計画(3年間)の初年度であり、まず記号力学系の間のfactor写像を対応するC^*環の包含関係、K群の包含間を通して調べた。その結果、記号力学系間のfactor写像の存在と対応するC^*環とその上のゲージ作用の間の包含関係が等価であることが明らかになり、論文「Factor maps of lambda-graph systems and inclusions of C^*-algebras」にまとめ、現在投稿中である。またこの結果は研究集会「記号力学系の分類と作用素環への応用」(2002年9月6日〜9月8日 九州大学)に於て発表した。またW. Krieger教授(ドイツ、ハイデルベルグ大学)が9月に来学し、記号力学系を表現する具体的なλ-graph systemsとそのC^*-環について研究討論を行い、共同論文「W. Krieger & K. Matsumoto, A lambda-graph system for the Dyok shift and its K-groups」を完成し、現在投稿中である。さらにW. Krieger教授と、Cuntz-Krieger環等のC^*-環から定義される記号力学系のクラスを提案し、そのクラスに属す記号力学系の同型類を判定する新しい位相共役不変量を発見した。結果は共同論文として現在作成中である。この新しい位相共役不変量の研究は次年度にも継続して研究する予定である。
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