研究概要 |
今年度は本研究計画(3年間)の2年目であり,昨年度の研究継続に加え,新たに,記号力学系の上の自己同型の研究と記号力学系のC^*環への一般化の研究を行なった。記号力学系の自己同型の研究として,那須正和氏(広島大学)が位相的マルコフシフトの自己同型に対して定義したテキスタイル・システムを一般の記号力学系の自己同型に対してラムダグラフシステムを使って一般化した。その結果,サブシフトの自己同型の中で拡大的なものについて,「subshift-identification」をすることが可能であることが証明された。結果は論文「Textile systems on lambda-graph D system」にまとめられ,現在投稿中である。この論文は研究集会「記号力学系の作用素環への応用」(2003年8月30日 九州大学)でも発表した。またW.Krieger教授(ドイツ,ハイデルベルグ大学)が9月に来学し、共同研究を行い,記号力学系を表現するラムダグラフシステムからサブシフトの不変量を構成することに成功し,結果は論文「A class of invariants of topological cungigacy of subshifts」にまとめた。さらにKrieger氏とは局所コンパクトな一般化された位相的マルコフシフトについても共同研究が継続中である。
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