研究概要 |
1.昨年度に引き続きBenjamin-Ono方程式の解の存在についての研究を行った。KdV方程式や非線形Schroednger方程式に対しては非常に有効であったJ.BourgainによるFourier ristriction normの方法は,従来,Benjamin-Ono方程式に対しては有効でなく,今まで得られていた以上の結果は得られないとされていたが,通常の形ではなく,少し変形した形のFourier ristriction normを用いれば,Benjamin-Ono方程式に対しても有効であることがわかった。この話題に関して,東北大学,熊本大学で講演を行った。現在,この問題に関する論文を執筆中である。 2.非線形波動方程式の特異性伝播の研究を行った。単独の非線形波動方程式に対し,非線形項がNull条件を満たす場合には,今まで得られている結果より弱い条件で特異性が伝播することがわかった。ただし,まだ発表する段階にはいたってはいない。 3.パリ南大学のLaurent Di Menza氏を招聘して,1月23日,24日にWorkshop on Numerical Analysis and Partial Differential Equation in Kagurazakaというタイトルで研究会を行った。国内からは,九州大学の北直泰氏,岐阜大学の石渡哲哉氏に講演をお願いした。活発な討論が行われ,数値解析と偏微分方程式の研究者の間の有意義な交流となった。
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