研究概要 |
1.小川卓克氏,E.Kaikina氏,P.I.Naumkin氏とともに,Benjamin-Ono方程式の解が時空間変数に関して解析的になるための十分条件について研究を行った。初期値について原点に特異性をもつことが可能なある条件の下で,時間が少しでも経つと時空間変数に関して解析的になることがわかった。 2.Benjamin-Ono方程式の初期値問題の解の存在についての考察を行った。Benjamin-Ono方程式は、通常のSobolev空間に対してはPicardの逐次近似が適用できないが、斉次と非斉次Sobolev空間を組み合わせた空間を用いると初期値を小さくとれば逐次近似が使えることがわかった。ただし、現在、論文を準備中である。 3.非線形波動方程式の解の特異性伝播の研究を行った。具体的には、非線形項がKlainermanの意味の零条件を満たすとき、そうでないときに比べて特異性伝播の定理が改善されることがわかった。この問題に関しても、現在、論文を準備中である。
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