研究分担者 |
柴田 徹太郎 広島大学, 総合科学部, 助教授 (90216010)
倉田 和浩 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10186489)
大谷 光春 早稲田大学, 理工学部, 教授 (30119656)
石渡 通徳 早稲田大学, 理工学部, 助手 (30350458)
足達 慎二 静岡大学, 工学部, 助教授 (40339685)
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研究概要 |
本年度はR^Nにおける非線型楕円型方程式の研究,特にその特異摂動問題に関する研究において成果が得られた. まず,代表者はL.Jeanjean氏との共同研究によりR^Nにおける非線型Schrodinger方程式に対する特異摂動問題に関して進歩がみられた.特に,今まで扱うことができなかった広いクラスの非線型項---漸近的に線型の増大度をもつ非線型項をも許容するクラス---に対してもepsilon -> 0のときポテンシャルV(x)の極小点に集中し,スパイクを形成する解の族の構成に成功した.ここにおいて,昨年までの研究で行られたleast energy solutionのMountain Pass Theoremによる特徴付けが非常に重要な投割を果たしている. またY.Dingとの共同研究においては非線型Schrodinger方程式に対して異なるタイプの特異摂動問題を考察し,従来知られていたものよりもより複雑なパターンを極限とする解の族の構成に成功した.また1次元の特異摂動問題についても従来考察されていない高エネルギーをもつ解のクラスに関する研究においてもFelmer氏らとの共同研究により成果が得られている. 研究分担者 倉田,柴田,大谷,石渡はそれぞれ非線型楕円型方程式の研究において成果を得た.倉田はシリンダー状の漸近形状をもつ非有界領域での正値解の存在を,柴田は単振り子の方程式等に対して境界層の漸近的性質を知らべ,境界層の固有値パラメーターに関する漸近展開公式を導いた.また大谷はSymmetric criticalityに関する原理を見出し,種々の応用を見出す等の成果を得た.
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