研究分担者 |
大谷 光春 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (30119656)
山崎 昌男 早稲田大学, 理工学術院, 教授 (20174659)
倉田 和浩 東京都立大学, 大学院・理学研究科, 教授 (10186489)
柴田 徹太郎 広島大学, 大学院・工学研究科, 教授 (90216010)
石渡 通徳 早稲田大学, 理工学術院, 助手 (30350458)
|
研究概要 |
本年度は特異摂動問題の研究に関して成果が得られた.まず研究代表者はP.Felmer氏,S.Martinez氏らとともに従来変分的に全く研究されていなかった高エネルギー(振動)を持つ解の特徴づけ及び存在問題に取り組み,力学系におけるaveraging theory(より詳しくはtheory of adiabatic invariants)と関連する結果を得た.特に極限エネルギー関数を用いた解のパターンの記述を与えることに成功し,逆にadmissibleなパターンに対してそれを実現する解の構成を変分的方法に行った. また昨年度のY.Ding氏との共同研究をさらに発展させ,符号の異なる解をつなぐmulti-bump解の構成に成功した.multi-bump解として従来得られていた解は非常に安定な正値解をつなぐものであった.ここではミニマックス法によって特徴づけられる解を安定性,非退化性を仮定せずに,つなぎmulti-bump解を得ており,従来よりも非常に多くのパターンの解の存在を示すことに成功した.また共同研究者倉田氏とは生物モデルにおけるdisruptedな環境に対応した非線型楕円型方程式に対応する特異摂動問題を考え,安定解の多重存在等を見い出した. 研究分担者 大谷,山崎,石渡,倉田,柴田,中島はそれぞれ非線型楕円型方程式の研究において成果を得た.特に大谷は準線型楕円型方程式への応用を目指し,degree理論のsubdifferential作用素への拡張を行い,倉田はsymmetry breaking等の研究を,柴田は非線型固有値問題のパラメーター依存性に関する詳しい漸近解析等を行い,さらに中島は界面現象の現れる非線型楕円型方程式を扱った.
|