研究課題/領域番号 |
14540218
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研究機関 | 立命館大学 |
研究代表者 |
山田 修宣 立命館大学, 理工学部, 教授 (70066744)
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研究分担者 |
伊藤 宏 愛媛大学, 工学部, 助教授 (90243005)
新屋 均 立命館大学, 理工学部, 教授 (70036416)
荒井 正治 立命館大学, 理工学部, 教授 (20066715)
大鍛冶 隆司 京都大学, 理学部, 助教授 (20160426)
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キーワード | ディラック作用素 / シュレーディンガー作用素 / スペクトル / 固有値 / 磁場 |
研究概要 |
相対論的量子力学に現れるディラック作用素のスペクトル理論、特にポテンシャルが遠方で発散する場合のスペクトルを研究した.非相対論的量子力学に現れるシュレーディンガー作用素に較べてディラック作用素は、下からの有界性がないための困難な面と、1階微分作用素であるという有利な面を持っている。ポテンシャルが遠方で正または負の無限大に発散する場合、ディラック作用素のスペクトルは実数全体になり、固有値は持たない。この固有値の非存在定理ついては、Hubert Kalf氏(ミュンヘン大学)および大鍛治隆司氏との共著論文Absence of eigenvalues of Dirac operators with potentials diverging at infinity, to appear in Math. Nachr..を投稿中である。この結果は、磁場が遠方である程度の速さで減衰すれば、同じ結果が成り立つが、スペクトルが実数全体であるというためだけならば、磁場は単に減衰すればいいという予想を以前から持っていた。その予想が正しいことを、研究分担者の協力の下で得ることが出来た。シュレーディンガー作用素の場合の対応する結果と合わせて、「11.研究発表」にあるA note on the essential spectrum of Schroedinger operators and Dirac operators with magnetic fields and diverging potentials at infinityとしてまとめた。研究分担者もそれぞれ関連する分野で活発な研究を行った。特に、大鍛治隆司氏は、「ディラック型」作用素の固有値の非存在定理を完成した。さらに、ディラック作用素のスペクトルの絶対連続性についての研究を行ない、いくつかの研究集会で発表した。
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