研究概要 |
本研究では、太陽系に最も近い星形成領城でTタウリ型星の深い系統的なサーベイを行い、原始惑星系円盤から原始惑星が形成される過程を詳細に研究するためのサンプルを多数検出することを目的とする。そこで、ハワイ大学と共同で同大学2.2m望遠鏡用にサーベイに最適化したグリズム分光撮像装置(WFGS2)を新規に製作する。さらに、この装置あるいは既存の装置を用いて上記のサーベイを行い、多数のTタウリ型星の検出することを目指す。また、合わせてサーベイする領域に存在する既知および新発見のTタウリ型星の詳細研究も行うことも目指す。 不完全な部分があるものの平成15年11月上旬までに分光撮像装置を完成させ、ファーストライト観測をハワイ大学2.2m望遠鏡に装着して予定通り行った(Uehara et al.2004)。しかしながら、悪天候のため意味のあるサーベイデータを今回は取得することはできなかった。幸いなことには、作成した分光撮像装置の高光性能を評価できる最低限のデータは得る事ができ、ほぼ設計値通りになっており今後のサーベイ観測に有用な装置であることが確認できた。 既存の装置を用いたMBM12でのTタウリ型星のサーベイ(Ogura, Sugitani et al.2003)とそれに関連して行った詳細研究でも成果があった(Itoh, Sugitani et al.2003a)。また、L1457領域での既知および新発見のTタウリ型星の詳細観測をすばる望遠鏡を用いて行い、LkHa264の星周円盤からの振動励起状態の水素分子輝線を初めて検出した(Itoh, Sugitani et al.2003b)。
|