研究概要 |
脈動変光星の理論低な研究では線形解析と非線形シミュレーションが相補的に行われている。線形解析では恒星の諸元に対してその恒星で可能な脈動モードの周期や脈動成長率などが得られるが、観測の比較や有限振幅に達したときの脈動の振る舞いなどは非線形シミュレーションに頼らなければならない。しかし、非線形シミュレーションが調べている脈動と線形解析でえられた脈動モードの対応がはっきりしないと非線形シミュレーションが何をシミュレーションしているのかわからなくなる。このためには、線形解析の解析プログラムと非線形シミュレーションの解析プログラムを統一的に構築する必要がある。拡散近似では、T.Aikawa(Ap. J.,374,700,1990)などでこの用法がとられ、小質量超巨星で出現するストレンジモードによる有限振幅の脈動の様子などがしらべられている。早期型の脈動では拡散近似では不十分で、輻射場をさらに高い近似で取り扱う必要がある。本研究では、輻射場を拡散近似より高いものを使い脈動の線形解析と非線形シミュレーションが統一的に扱えるコンピュータプログラムの作成を目指している。準備的な試みであるが、非平衡拡散近似で統一的に線形解析と非線形シミュレーションが行えるプログラムを制作中であり、結果は6月のIAU Colloq. 193に出したいと考えている。最終的には多色輻射場として輻射場を取り扱うプログラムとして、しかも、並列処理システムに載せることを考えている。この方向での模索は、相川利樹・佐藤昭治"小規模並列処理システムによる計算: PVM, MPIを使ってみて"(人間情報学、2002)で公にした。
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