研究概要 |
高発光量の水ベースの液体シンチレーターの可能性を追求するための基礎実験を行っている。 高発光量の液体シンチレータを得るには、一般に芳香族又は環状の分子構造をもつ溶媒に発光剤を溶かす必要がある。 そのためまず(1)水に溶ける、芳香族及び環状の分子構造をもつ溶媒(第一溶媒),として、ベンジルアルコール、ジオキサン、シクロヘキサノール、(2)発光剤として、分子量が比較的小さく、若干の極性をもつPPO、(3)発光剤を水に溶かし込むために、発光剤及び水が可溶な溶媒(第二溶媒)として、各種アルコール類、ケトン類、などの選定を行った。 次に、それらの様々な組み合わせで調合を行い、安定である調合比を系統的に調べ、そのいくつかの組み合わせで発光量の測定を行っている。 その途中結果として、例えば水〜50%+ベンジルアルコール〜20%+メタノール〜30%+PPO〜2.5g/Lで、5〜6%アントラセン相当の発光量を得ている。 今後は、さらに水の含有量の多く発光量の多い組み合わせを調べると共に、界面活性剤、化学発光などの可能性も調べる。
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