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2003 年度 実績報告書

2万5千年前の宇宙線強度変動測定と宇宙線スペクトルの研究

研究課題

研究課題/領域番号 14540240
研究機関山形大学

研究代表者

櫻井 敬久  山形大学, 理学部, 教授 (60150265)

研究分担者 松崎 浩之  東京大学, 原子力総合センター, 助教授 (60313194)
門叶 冬樹  山形大学, 理学部, 助手 (80323161)
郡司 修一  山形大学, 理学部, 助教授 (70241685)
キーワード宇宙線 / 放射性炭素 / 年輪 / 太陽活動 / 極低レベル液体シンチレーション測定 / AMS測定 / 2万5千年前 / 3.4%ステップ的変化
研究概要

宇宙線強度変動は,太陽活動および地球磁場の変動が大きな要因と考えられるため、過去の宇宙線強度変動の測定は過去の太陽系、地球環境を調べる上で重要な情報となる。本研究は、地球大気中で宇宙線によって生成される宇宙線生成核種C-14を利用して約2万5千年前の宇宙線強度年変動を調べることを目的としている。実験研究は、約2万年前の樹木年輪中放射性炭素濃度を測定することにより進めた。以下に得られた研究成果を示す。
1.使用した樹木試料は山形県上山の河川から出土したものであり、年輪数は130年で平均年輪幅1mmで良好な状態にあった。
2.年輪剥離を100年輪に対して行い各年輪5gの試料を得た。
3.山形大学極低レベル液体シンチレーション測定システムによる年代測定より、年輪外側の放射性炭素年代は21945±120年(BP)であり2万年以上過去の試料であることが分かった。
4.水月湖データとの比較から、年輪の実年代は25600年から26200年の間であることが分かった。
5.年輪No.1からNo.100までの中10年輪毎にα-セルロースを抽出し、加速器質量分析を行うため同一セルロースから各々8本のグラファイト試料を作成した。
6.東京大学タンデム加速器(AMS)で各グラファイト試料に対して合計約600回の照射を行った。C-12に対するC-14の比のバラツキは相対誤差で3%程度であり、統計的にデータ処理できることがわかった。
7.同一年輪試料より多数グラファイト試料を作成しAMS測定することにより、1グラファイトでは3%の精度であったものが0.38%に精度を向上させることができた。
約2万5千年前の100年輪中の高精度放射性炭素濃度測定より、約3.4%のステップ的変動が見つけられた。この濃度変動は現在に比べ急激な宇宙線強度と低エネルギー部スペクトルの変動を示唆している。

  • 研究成果

    (2件)

すべて その他

すべて 文献書誌 (2件)

  • [文献書誌] H.Sakurai, et al.: "Characteristics of high-purity teflon vial of 14C measurement in old tree rings"Nucl.Instr.and Meth.in Physics Research A. 505. 454-457 (2003)

  • [文献書誌] H.Sakurai, et al.: "AMS measurement of C-14 concentration in a single-year ring of a 2500-year-old tree"Mucl.Instr.and Meth.B. (2004)

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公開日: 2005-04-18   更新日: 2016-04-21  

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